メディア創造学科 関口ゼミが大阪・関西万博に出展「Noh to the world」
- 2025.04.14
- ニュース

関口ゼミ(メディア創造演習)ではこれまで、京都の伝統文化を新時代に即した手法で一段と活性化させるためのイベントプロデュースを継続的に行っています。
2024年度開始のプロジェクトでは、「能と伝統文化を世界に広める会」を立ち上げ、「能と伝統文化を通じて日本文化を京都から世界へ発信すること」を目標として様々な活動を展開しています。その文化振興の取り組みが「大阪・関西万博きょうと推進委員会認証制度」の事業として認定されました。
さらには、選抜審査を経て、認定事業の中から万博出展を行う団体として選定され、この度大阪・関西万博 関西パビリオン 京都エリアの展示コーナー「一座きょうと」のブースにて、展示を行うことが決定しました。
メディア創造的な見地からの能の魅力を研究・発信することをめざし、能面、舞扇などに加え、学生が制作した能舞台のジオラマなどを展示します。週末の2日間には、能蝋燭をイメージした光のオブジェを来場者とともに創り上げるワークショップなども実施する予定です。
- 会期
- 2025年4月27日(日)ー5/4日(日) 9:15〜21:00
- 会場
- 大阪 夢洲
関西パビリオン京都ゾーン「ICHI-ZA KYOTO 一座きょうと」
出展者一覧(PDF)に同志社女子大学として掲載:出展者一覧(PDF)
REPORT
私たち関口ゼミ(メディア創造演習)は、京都の伝統文化とその魅力を学生の視点から発信することを目的に活動してきました。2024年度は特に「能」に焦点を当て、「能と伝統文化を世界に広める会」を立ち上げ、学生主体でさまざまな企画を展開しました。
その集大成として、「大阪・関西万博きょうと推進委員会認証制度」認定事業として、関西パビリオン京都エリア「一座きょうと」への出展が実現しました。
万博でのNoh to the World展示ブースには、本物の能面や扇、台本や鼓が並び、来場者の方々に“本物”に触れていただけるような場を演出したほか、我々ゼミ生が手がけるアート作品によっても能の魅力を伝えることを目指し、能舞台ジオラマ模型と蝋燭能モチーフのランプシェードを展示しました。
製作作品の目玉である実寸25分の1サイズの能舞台ジオラマ模型は、学生自らが実際に能舞台に出向いて計測、設計を行い製作したものとなっており、能の洗練された世界観を体現する重要な象徴として、情熱を注いで手がけています。
展示期間中の土日には、「蝋燭能」をイメージしたランプシェードに願いごとを記し、それらを集めて一つの“光のオブジェ”を制作するワークショップ企画を開催しました。
2日間で計528名がワークショップに参加し、老若男女問わずたくさんの方々、海外からの来場者まで幅広い層の方々の願いに光が灯りました。
体験後のアンケートによると、240名中87%が「能に興味を持った」と回答し、150名以上が今後の体験プログラムへの参加に意欲を示すなど、今回の展示の意義を深める大きな成果を残すことができました。
本催しを通じて個人の様々な願いや祈りが集まったことで、私たちは能の魅力を伝えることに留まらず、多様な方々のコミュニケーションの共創の場を創り出すことができました。
このプロジェクトを通じて、私たちは京都の伝統文化の一つである“能”に向き合い、伝統文化を継承するということを身をもって体験する中で、伝統文化を「ただ保存する」ではなく、「自分たちの言葉と表現で現代に伝える」意義とその可能性を実感しました。京都という地に根ざした文化の奥深さ、能という表現芸術の豊かさ、それらをメディアの力でどう伝えるか。そういった、果てしなくも肝要な課題を前に、現代を生きるメディア創造学科生という立場の私たちが、大阪関西万博という一生に一度の貴重な舞台に立てたことは、何物にも代え難い大変価値のある経験となりました。
また、今回万博への出展という大きなプロジェクトを任されるにあたり、まだまだ知識や経験の浅い私たちがこのような大きな成果をもたらすことができたのは、大学内外の数多くの方々のご支援があったからでした。これまでご指導・ご協力いただいた全ての方々のお力添え無くしては本プロジェクトは成功し得なかったと深く実感しています。
改めて、お力添えをいただいた全ての方々に心より感謝申し上げます。
関口ゼミ3年次一同 文責:深尾真悠子 山内咲穂 各務衿奈