高畑 勳氏講演会「セルアニメに受けつがれた日本絵画の伝統」
情報メディア学会 第二回総会・記念講演会
- カテゴリー
- 講演会
- 開催日時
- 2006年12月6日
- 場所
- 同志社女子大学 京田辺キャンパス 頌啓館ホール
- 講師
- 高畑 勳氏(スタジオジブリ)
REPORT
情報メディア学会第二回総会開催に際して、「火垂るの墓」や「平成狸合戦ぽんぽこ」、「ホーホケキョとなりの山田くん」などのアニメ作品で知られるアニメーション映画監督の高畑勳氏をお招きし、「セルアニメに受けつがれた日本絵画の伝統」と題してご講演いただきました。
現在あるアニメや漫画に対する人々の興味関心と、その表現のための創意工夫。その両方が非常に古くから日本にあったということや、アニメや漫画の起点であるとされる12世紀の絵巻物を例にとって当時の人々の生活や目線、その表現方法がどのように今日のセルアニメに受けつがれてきたかをお話いただきました。
鳥獣戯画や伴大納言絵巻、信貴山縁起絵巻などの絵巻物を実際にその場でくりひろげながら、”今みているところが現在だとすると、右手の中に過去が巻き込まれていて、左手の中に未来がしまいこまれています。左から右へ巻物を巻くことで時間が流れ、物語になっていく、これは映画のフィルムにとても近い。”などとお話しされ、今回のように絵巻物を解説とともに鑑賞するスタイルは、氏の講演としては日本初公開で、来場者にとってとても新鮮な体験となりました。
400席余のホールは学生や教員、一般来場者の方々でほぼ満席で、大変貴重な講演会となりました。