光と音の音楽インターフェイス「TENORI-ONの開発」

2009年度 第1回 情報メディア学科講演会

カテゴリー
講演会
開催日時
2009年4月29日(水)
場所
知徳館1F C183
講師
西堀 佑氏 (YAMAHAサウンドテクノロジー開発センター)

講師プロフィール 西堀佑

1978年生まれ。慶応義塾大学環境情報学部卒業後、ヤマハに入社。同社のR&D部門であるサウンドテクノロジー開発センターに配属。 ヤマハ側のプロデューサーとして、2001年より『TENORI-ON』の企画・開発に携わる。現在、同開発センターにて新しい音楽インタフェースの研究に取り組む。
TENORI-ON:メディアアーティスト岩井俊雄とヤマハとのコラボレーションによって制作された21世紀の音楽インターフェース。 16×16個のLEDボタンを使って、音楽の知識がなくても視覚的・直感的に作曲/演奏することが可能。

REPORT

msc ギャラリー岩井俊雄アーカイブ展『いわいさんち』の関連イベントとして、次世代音楽インターフェイス「TENORI-ON」の開発者の一人であるヤマハ株式会社の西堀佑氏に講演をお願いしました。

「“現代の楽器”であるはずのシンセサイザーの多くが、未だに前時代的な鍵盤によってプレイされている。もっと先進的なインターフェイスを与えたい。それがTENORI-ON開発の原動力だった」
このことばを皮切りに講演会は始まりました。

世界有数の楽器メーカーであるYAMAHAと、メディアアーティスト岩井俊雄とのコラボレーションによって生まれたTENORI-ONは、25cm×25cmのアルミフレームの中に並んだ256個のLEDボタンを自由に押すだけで、さまざまな音楽を演奏/記録することができる次世代音楽インターフェイスです。演奏中の音情報をイルミネーション機能によって視覚化し、音楽的知識のない人や楽器が演奏できない人にも、演奏の楽しさを開放しました。

講演では、発案者である岩井俊雄氏が描いた一枚のメモから、どのようにしてTENORI-ONを製品化していったのかという経緯と、その際のご苦労をお話しいただきました。ピアノやギターなどのように手本にするものがないため、TENORI-ONの開発は、日々、トライ&エラーのくり返しだったそうです。
開発から販売まで、じつに6年の歳月を要したこの楽器は、日本だけでなくヨーロッパをはじめとする世界じゅうで人気を博し、多くのクリエイターがTENORI-ONを使ったオリジナル曲をネット上に公開するまでになりました。講演中にもユーザーのビデオクリップが紹介され、かれらが自由にTENORI-ONを使いこなすようすが映し出されました。
講演の最後におこなわれたデモ演奏では、ボタンだけで演奏されているとはとても思えないパフォーマンスに場内がざわめく場面も見られ、TENORI-ONがクリエイターだけでなく、一般の人々にも強い影響を与えることが証明されました。