映像編集ワークショップ
- 2015.09.16
- 2015年度, アーカイブ, ワークショップアーカイブ
2015年度 第6回 情報メディア学科ワークショップ
映像編集について学ぶワークショップを開催します。講師に映像業界で編集者として活躍されている山田新司氏をお招きし、経験に基づいた編集者としての思考ロジックやマニュアルに載っていないテクニック等を学びます。
- カテゴリー
- ワークショップ
- 講師
- 山田 新司氏 (T601株式会社)
- 開催日時
- 2015年10月17日(土) 10:00〜17:00(予定)
- 場所
- 情報メディア演習室3 (知徳館1F C164)
- 対象
- 情報メディア学科・情報文化専攻 在学生
- 定員
- 先着25名
- 参加条件
- 9月27日開催の「シナリオ・演出ワークショップ」の撮影データで事前に編集(Adobe Premiere CC/After Effects CC)を行い、当日上映できること。
(下記「事前課題について」を参照) - 持ち物
- 筆記用具、昼食、上記参加条件にある編集したムービーデータ、Premiereの編集データ
- 申し込み
- 2015年9月29日(火) 〜 10月13日(火) 16:30まで
情報メディア学科事務室(C206) - お問い合わせ
- 情報メディア学科事務室(C206)
TEL:0774-65-8635
事前課題について
映像編集ワークショップ参加者は、ワークショップ当日までに「シナリオ・演出ワークショップ」で撮影したデータ(以下、素材データ)を素材とし、自分なりに編集をしてもらいます。
素材データは「教員サーバ(172.24.43.20)/public/workshop1017」にあります。
ダウンロード方法の詳細は、申し込み時に事務室で配布します。
ワークショップでは自分なりに編集し、書き出したムービーデータを講師の山田氏が講評し、ディスカッション形式でワークショップを進め、再編集を行う予定です。ワークショップ当日は、以下のデータを各自必ず持参してください。
・自分なりに編集し、書き出したムービーデータ(.mov)
・編集に使ったAdobe Premiereデータ(.prproj)、またはAdobe AfterEffectsデータ(.aep)
・編集に使用した素材データ(上記の方法でコピーした「シナリオ・演出ワークショップ」の撮影データ)
編集について
編集する際は素材データとPremiereやAfter Effectsのプロジェクトデータは、一つのフォルダにまとめてから編集を行ってください。詳しくはmscにあるVideo Basicを参照するか、mscスタッフに聞いてください。
ムービーの書き出しについて
ムービーの書き出しについては以下の設定で行ってください。
1. Premiereの「ファイル」メニューから「書き出し」を選び、「メディア」をクリックします。
2.「書き出し設定」は以下に設定します。
形式:QuickTime
プリセット:カスタム(下記3の設定を行うと「カスタム」になります)
出力名:学籍番号+氏名.mov (ex. 1713000同女花子.mov)
3.ビデオタブ内の設定は以下に設定します。
ビデオコーデック:Apple ProRes 422(HQ)
基本ビデオ設定:
幅と高さ:1920× 1080
フレームレート:29.97
フィールドオーダー:プログレッシブ
縦横比:正方形ピクセル(1.0)
ビット数:24bit
事前課題に関する質問はmscスタッフの尾崎または清水に尋ねてください。
REPORT
映像企画会社T601の取締役であり映像業界で編集者としてご活躍の山田新司氏をお招きし、映像編集ワークショップを開催しました。
TVCM、PV、3Dプロジェクションマッピング、ライブステージ映像等の企画・演出・編集・VFX(コンピュータグラフィックスによる映像合成などの技術の総称)など、多岐に渡り携わっておられる山田氏。まずは氏が実際に編集に関わった作品を例として観ながら、その豊富な制作経験についてお話しいただきました。
普段目にするTVCMがとてもハイレベルな技術によって支えられていることに驚きながら、学生は興味深げに聞き入っていました。編集者とは映像編集ソフトを使えればよいだけではなく、撮影素材を魅力的に組み上げるために様々な知識と技術が必要な職業だと教えていただきました。しかし、その大変な作業が視聴者に分からないように提供できなければ失敗であると氏は語られました。
また、「編集者という仕事にとって一番大切な体の部位は耳である」として、編集作業の最中に編集室を訪れるクライアント達の数多の改善案や意見を聞き、その全てを汲み取りながら自分の意見を足した編集を行うことが重要だと教えていただきました。
今回のワークショップ参加者には事前課題が課されていました。9/27(日)開催のシナリオ・演出ワークショップで撮影された、同じ脚本に3パターンの異なる演出を付けた動画素材を元に、最低1本の短編動画作品を制作するという内容です。実習に入る前にまず課題の合評を行いました。どのように編集するかはそれぞれの自由ということもあり、同じ動画素材を使用していてもひとつとして同じ作品はありません。山田氏によりそれぞれの作品の改善点をご指摘いただき、同時に編集のノウハウをご教授いただきました。撮影時に別のレコーダーで同時録音していた音声を映像にぴったりと合わせる方法、映像編集の基礎である「三点編集法」、「四点編集法」、インサートの効果、登場人物の感情表現の編集など、実践的な内容です。
次に、個々の作品の改善点を踏まえて、山田氏からそれぞれの学生へ課題が出されました。提出課題のブラッシュアップや、別素材を用いての再編集、同じ素材を用いながらも登場人物の性格を編集上で変更するなど、与えられる課題内容もそれぞれです。編集作業は短時間で大まかにでも全体を完成させることが重要だとして、制限時間を1時間とし、一斉に編集作業をスタートさせました。
実習の時間が始まると学生は集中力を発揮、1時間でほぼ全員が課題を終了させることができました。その後、再編集作品を皆で鑑賞・合評を行いました。ご指導のおかげで楽しんで編集作業に取り組むことができ、魅力的な作品が揃いました。
山田氏の肩書きである『エディター』(編集者)は、昔は編集機材が高価であったことから、機械を操る人『オペレーター』(技術者)と呼ばれていた時代もあったといいます。アナログリニア編集からデジタルリニア編集へと移行しPCを使用した編集が主流となった今、編集ソフトやグレーディングソフトが安価・無料で手に入る現状を、山田氏は「編集機材の高価さで計られることなく、編集技術そのもので勝負が出来る時代が来た」として、とても喜ばしいことであると強調されました。
技術や機材は必要なものですが、それ以上に作り手の意識により作品の質が変わってくるということ、より良くしたいという意識が傑作を生むということを氏から学んたことで、学生の編集に対する意識の変化が感じられたワークショップとなりました。
参加者 9名