講演会 Invisible Filter もう一つのデザイン・プロセス

Invisible Filter:もう一つのデザイン・プロセス

Invisible Filter もう一つのデザイン・プロセス

カテゴリー
講演会
講師
増永明子氏+久慈達也氏(DESIGN MUSEUM LAB)
開催日時
2016年10月19日(水) 15:15〜16:45
場所
同志社女子大学 京田辺キャンパス 知徳館 3号棟 1階 C132
参加対象
在学生および一般 入場料無料 申込不要
主催
同志社女子大学 情報メディア学科
同志社女子大学 学芸学部 情報メディア学科事務室
TEL:0774-65-8635

増永明子氏 プロフィール

デザイナー
ブランディングを軸にグラフィック、パッケージ、空間等を通じて本質的な解決を目指したコミュニケーションデザインを展開
教育、地域、社会に関わる実験的展覧会、ワークショップ、講演多数
国内外のコンペティションにて多数入選・受賞
大阪芸術大学短期大学部講師
東京2020エンブレム委員会審査員
共著書「デザインのプロセス」MdN
http://www.masdb.jp/

増永明子氏

久慈達也氏 プロフィール

デザイン・リサーチャー
DESIGN MUSEUM LAB代表
1978年、青森県生まれ。東北大学大学院国際文化研究科博士課程中退。社会の表象としてのデザインプロダクトに関心を持ち、展覧会企画や執筆を行う。神戸芸術工科大学非常勤講師(当時)。
http://dm-lab.com/

関連イベント

mscギャラリー「増永明子展 Invisible Filter 探求への好奇心、想像の泉」
会期:2016年9月23日(金) ー 10月28日(金)
会場:同志社女子大学 mscギャラリー

REPORT

大阪を拠点に活動する気鋭の女性デザイナー、増永明子氏をお招きし「Invisible Filter もう一つのデザイン・プロセス」と題した講演会を開催しました。講演は、mscギャラリーで同時期に開催した増永氏による展覧会「Invisible Filter 探求への好奇心、想像の泉」のコーディネートを担当されたDML(DESIGN MUSEUM LAB)の久慈達也氏と増永氏との対談という形式ですすみました。

前半は展示の意図に関して久慈氏から詳細の説明がありました。空間設計から壁面のグラフィックの扱い方など、論理的に積み上げられた空間の構成も実は増永氏のデザインを理解するための重要なヒントになっていました。後半は、久慈氏が増永氏の「デザイン・プロセス」に対して質問を投げかけ話が展開しました。その中で徐々に増永氏のデザイン手法が明るみになってきます。例えば、増永氏はロゴデザインなどを手がけるにあたって、依頼主と徹底的に(定期的かつ長期間)打合せを重ね、その積み重ねが最終的なデザインを作り上げます。依頼主の本質を見つけ出し、その中から必要なものを自身(デザイナー)のフィルターにかけ、そして完成品(デザイン)へとイメージを近づけるのだそうです。

デザインに「正解」はありません。増永氏曰く、デザイナーの中に存在する見えないフィルター(=Invisible Filter)こそが、デザイナーにとって一番重要な武器なのです。今回の展示では、目に見えるデザインの最終形態だけでなく、増永氏個人のフィルターとして機能してきたコレクションの一部が展示されていました。展示と講演が組み合わされることで増永氏の中の“想像の泉”を覗きみるような、知的好奇心が満たされる大変刺激的な内容となりました。

講演の最後では増永氏が大阪市で手がける津波対策のためのパブリックデザインの解説もあり、社会の中でのデザイナーの役割についても言及されました。講演終了後は増永氏・久慈氏と本学学生および一般の来場者による質疑応答も行われれ、その中には現代におけるデザイナーの立ち位置を再確認できるような質問もあり、講演の内容と同様に興味深いやり取りで講演を締めくくることができました。講演は今後デザインという職業に携わりたい学生にとっては、デザインとは何かを考えるきっかけとして、そして今後の研究の方向性や意義を見いだせる貴重な機会となりました。

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