文字デザインワークショップ 「文〜字ぃくつフェルト〜」
- 2017.11.15
- 2017年度, アーカイブ, ワークショップアーカイブ
文字デザインワークショップ「文〜字ぃくつフェルト〜」
- カテゴリー
- ワークショップ
- 講師
- 大日本タイポ組合(秀親氏・塚田哲也氏)
- 開催日時
- 2017年12月2日(土)10:00〜17:00
- 内容
- ニードルフェルト(羊毛フェルト)を使って文字を作ります
- 対象
- 情報メディア学科在学生・情報文化専攻在学生
- 定員
- 20人(先着)
- 場所
- 知徳館2号棟1F C122
- 持ち物
- 昼食
※フェルト制作の経験がある人は、自分の裁縫道具等を持参可能。
経験のない人は基本キットをこちらで準備します。 - 申込〆切
- 2017年12月1日(木) 17:00
- 申込受付
お問い合わせ - 情報メディア学科事務室(C206)
Tel:0774-65-8635
プロフィール 大日本タイポ組合(秀親氏・塚田哲也氏)
秀親と塚田哲也の2人で1993年に結成。日本語やアルファベットなどの文字を解体し、組合せ、再構築することによって、新しい文字の概念を探る実験的タイポグラフィ集団。ロンドン、バルセロナ、東京での個展、および国内外での企画展に参加。
2015年 ギンザ・グラフィック・ギャラリーにて「字字字」展を開催。
2017年「なんでももじもじ」(福音館書店)を出版。
REPORT
大日本タイポ組合の秀親氏と塚田哲也氏を講師にお招きし、『文字デザインワークショップ「文〜字ぃくつフェルト〜」』と題して、私たちがふだん平面として捉えている文字を、羊毛フェルトを用いて立体として捉えてつくり出すというワークショップを行いました。
まず、大日本タイポ組合の活動をスライドショーで見せていただきました。彼らの活動は、美術館での作品展示に留まらず、ブックデザインやパッケージデザイン、子ども向けのおもちゃに至るまで、非常に多岐に渡ります。また、彼らはこれまでに、ゼリーやパン、天ぷらなどを素材として扱って文字をつくるワークショップも行っています。学生たちは、大日本タイポ組合の様々な試みに対して、好奇心を掻き立てられているようでした。
その後、羊毛フェルトでの文字づくりに取りかかりました。学生たちがつくる文字はすべて、くじ引きで決められました。まずはアルファベットのA〜Zをくじにして、それぞれが引き当てた文字をつくります。アルファベットの他にも、『#』や『?』といった記号にも取り組み、それが終わると次はひらがな46文字の制作に入りました。
学生たちは、最初は比較的文字のかたちを忠実に再現していましたが、いくつもの文字の制作に取り組むにつれ、自分のスタイルをつくり上げていったように思います。例えば、ある学生は「O(オー)」を大きな口を開けている顔に見立ててつくり、またある学生は「い」をイチゴのような赤いボディに黒いドット、緑のへたをつけてつくりました。さらにグループ内でつくった文字を互いに見せ合うことにより、グループのメンバー間で文字の大きさが共通するといった影響も見られました。こうして学生たちの手により羊毛フェルトでつくられた文字は、つくり手の創造性によってさまざまなイメージとして表出しました。最後に、制作したアルファベットとひらがなをすべて並べ、秀親氏と塚田哲也氏、髙木准教授による講評が行われました。
最初は戸惑っていた学生も、手を動かすにつれて、「その文字らしい色や形はどんなものだろうか?」「その文字として成り立つための特徴はなんだろうか?」と考えながら制作に取り組んでいたように思います。大日本タイポ組合は、自らの活動の指針を「まじめにふざけたことをやる」ことだと述べていました。本ワークショップでの取り組みはまさに、まじめにふざけながらやるからこそ可能な、文字に対する別の角度からのアプローチだったのではないでしょうか。
今回のワークショップに参加した学生たちの、この創造的な挑戦と考え方が、今後の制作活動におおいに活かされることを期待します。
参加者 14名