メディア創造基礎演習-映像ワークショップ2019
- 2019.05.01
- 2019年度, アーカイブ, ワークショップアーカイブ
映像ワークショップ 【撮影編】
ビデオカメラをつかった撮影の基礎、マイクをつかった録音の基礎
- カテゴリー
- ワークショップ
- 講師
- 山本 輝(メディアサポートセンター)
- 開催日時
- 2019年5月18日(土)10:00~17:00
映像ワークショップ 【編集編】
Adobe Premiereをつかったビデオ編集の基礎
- カテゴリー
- ワークショップ
- 講師
- 前田 剛志氏(本学嘱託講師)
- 開催日時
- 2019年5月19日(日)10:00~18:00
- 集合場所
- 情報メディア演習室2(C162)
REPORT
1年次生春学期の必修科目である「メディア創造基礎演習A」では、最終課題としてドキュメンタリー作品をグループ制作するので、この時期、課題制作のサポートとして、メディア創造学科の貸出機材を活用した映像制作入門ワークショップを開催しています。
【撮影編】
メディアサポートセンタースタッフの山本輝氏を講師に迎え、「映像ワークショップ(撮影編)」を開催しました。
このワークショップでは”失敗しないインタビュー映像撮影”を目標とし、トライアル&エラー方式でインタビュー動画撮影の実践を行いました。
まずは、おもしろい映像とは何か?という問題提起からワークショップはスタートしました。
「おもしろい」とは「観る人の心を揺さぶる」、すなわち「感動」させるものであり、それには被写体や作り手の「本音」が描かれていることが必要となります。「本音」を描くためには、ドラマならば脚本と演技、インタビュー映像なら質問内容が重要であると学びました。
さらに、面白い映像を作るためには、内容と撮影の失敗の回避が必須であり、内容の失敗を避けるためには、企画立案の際に「これから撮る映像作品の目的を明らかにする(主題の獲得)」、「自分たちの映像作品を観てどう感じてほしいのか(目標設定)」、「目標を達成するためにどんな表現が適切か(方針の設定)」を制作グループ内で決定することが肝心との説明を受けました。
また、企画書の作成、質問表の作成、全体を通してのスケジューリング、グループ内での内容・情報の共有、事前のロケハンなど、撮影に向けての準備手順を教わりました。
講義のあとは、撮影の失敗を避け、インタビューを『確実に記録する』ための撮影実習にうつりました。まずは”どんな状態が失敗なのか”を知るため、あらかじめ故意に設定が変更された状態のビデオカメラを使って、お互いに簡単なインタビューを撮影し合いました。つぎに実際に撮れた映像を確認し、どのような点が失敗しているかを確認しました。
午後は、よりよく撮ることを目標に、ビデオカメラの機能と設定方法について詳しく学びました。
マニュアル設定の扱い方、ズーム機能、構図、撮影フォーマット、露出、ホワイトバランス、シャッタースピード、フレームレート、録音レベルなどについて説明を受け、初回の撮影での失敗の要因と改善方法を学びました。
また、三脚の使用方法を学び、より安定した動画を撮影できるようになりました。
その後は、これまで学んだ知識を踏まえた上で、再度撮影を行いました。
撮影後に映像を確認すると、改善された点がある一方、被写体がきれいに見えないことや、音がよく聞こえないといった、新たな問題点が見えてきました。
光の方向を意識すること、レフ板・ライトの当て方、専用マイク・レコーダーなど録音機器の紹介によって、より完成度の高い撮影方法を目指して最終課題に移りました。最終課題は各グループごとに3分ほどのインタビュー映像の撮影を行いました。撮影は編集することを意識しておこなうとし、本編以外のインサート映像も撮影します。学生はお互い協力しながら、わきあいあいと撮影に励んでいました。撮影された素材は、翌日の編集ワークショップでの編集素材として使用されます。
参加者:34名
【編集編】
本学嘱託講師の前田剛志氏をお招きし、「情報メディア基礎演習-映像ワークショップ2019【編集編】」を開催しました。このワークショップでは、1年次生必修科目「メディア創造基礎演習A」の最終課題である「インタビュービデオ」の制作に備え、映像編集ソフトAdobe Premiere Pro CCの使い方と、編集技術の基礎を身につけることを目的としています。各制作グループから編集担当者2名が出席し、「素材データの管理」「カット編集」「エフェクト」「テロップ作成」「音声編集」に重点をおいて、技術の習得に励みました。
はじめに、映像編集をする際に知っておかなくてはならない、素材データの管理方法について学びました。映像編集では、動画素材や音声素材、静止画素材など、多数のデータを取り扱います。しかし、それらが適切に管理されなければさまざまな不具合が生じます。なかでも、編集途中の素材データの移動や名称変更で生じる「メディアオフライン」は、編集初心者が一度は直面する問題です。このようなエラーが起こる原因を知り、予防・対応策を教わりました。
つづいて、Premiere Proの使い方と映像編集技術の習得に進みます。午前中は、Premiere Proの基本用語と、映像編集の基本であるカット編集について学習しました。ソースモニターやプログラムモニター、シーケンスなど、Premiere Proを構成する各ウィンドウパネルの説明があり、その後、実際に映像素材をカット編集しながら、各ツールの操作や作用を確認しました。操作手順に慣れたころ、インタビューの音声に別撮りの映像を重ねる手法や、キーフレームの扱い方、ディゾルブやLumetriカラーといったエフェクトの適応、モーションの活用方法など、より演出的な編集技法へと知識を深めました。
午後からは、テロップ作成の練習に入ります。レガシータイトルという機能を使用してテキストを打ち込み、フォントのスタイルやサイズ、色の変更方法を学びました。「映像の上に重ねたときに、見やすいテロップであるかどうか」「作品の雰囲気にマッチした文字デザインになっているか」に注意しながら、いろいろなバリエーションのテロップを作成しました。また、インタビュー映像のテロップでは異なるテキスト内容を同じデザインで表示することが多いため、作成したタイトルデザインを複製する効率的な方法も実践しました。最後に音声の編集方法、適切な音量の設定とその調整方法を学びました。
編集に必要な知識と手順をひととおり教わった後は、前日の「映像ワークショップ【撮影編】」で撮影されたデータを素材として、各自で短いインタビュー映像作品の制作に挑戦します。最後に、編集データをPremiere Pro以外でも観れるように、講師の指導のもと1本の動画として書き出し、作品を完成させました。
学生は初めて行う作業に戸惑いながらも、お互いに編集上の疑問点を教えあったり、カットの並びを相談しあったりと、参加者同志が協力し合いながら作業を進めていました。同じグループ内で同じ素材を使用しつつも、自分なりの編集に試行錯誤する様子が印象的でした。
今回のワークショップで学んだ知識と、その意欲的な姿勢が、本番のインタビュービデオ制作に活かされることを期待します。
参加者:40名