ピン・ミュージック コンサート&アーティスト・トーク
- カテゴリー
- 講演会
- 開催日時
- 2007年5月16日
- 場所
- 頌啓館ホール
- 講師
- sora( 黒澤 健氏)、徳山 知永氏
講師プロフィール sora( 黒澤 健氏)、徳山 知永氏
2005年より共同での音楽と映像のパフォーマンスを開始。独自の方法論で楽曲制作の段階からコラボレーションしている。初の展示作品発表となる本展では、今までの方法論を用いて1つの楽曲を多面的に展開する。
sora
黒澤健による音響プロジェクト。2003年、plopよりファーストアルバム「re.sort」をリリース。近年のおもな作品はwechsel garland (aka. wunder)とのコラボレーションや坪口昌恭トリオのリミックスなど。ライブ活動としては2005年春にplop asia tour、2006年にはsonar(バルセロナ)、sonarsound tokyo、electronisk jazzjuice06(デンマーク)に参加している。
徳山知永
メディア・アーティスト。2002年文化庁メディア芸術祭・学生CGコンテスト『U-18賞』受賞。2005年より池田亮司アシスタントとして映像とWEBを制作。ほか、石上純也にCADソフトウェアを提供するなど、活躍の場を広げる。
REPORT
mscギャラリーで開催された『pin music』展の関連イベントとして、出品アーティストであるsora( 黒澤 健氏)と徳山知永氏によるライブパフォーマンスが頌啓館ホールにておこなわれました。ピアノやギターなどの楽器を用いた一般的な曲づくりではなく、[オーディオサンプル]とよばれる短いサウンドデータによって構成される黒澤氏の音楽と、その再生データをきっかけに生成される幾何学的でどこかユーモラスな徳山氏の3D映像。それらはコラボレーション作品と思えないほど違和感なく融けあい、映像と音楽がもともと不可分であるかのように同じリズムを刻んでいました。パフォーマンスは約40分続き、そのあとお二人の制作スタンスや制作方法についてお話いただきました。「既存のシンセサイザーやサンプラーでイチから音楽をおこすという行為には表現上の限界を感じる。既存のさまざまな曲を使って再構成するほうがいい(黒澤氏)」「既存のソフトウェアを使うと、たとえそれがどんなに優れたものであろうとかならずそのソフト独自の制約を受ける。遠回りのようだけれど自分はオリジナルソフトを使いたい(徳山氏)」というお話は、第一線で活躍するクリエイターらしいこだわりを感じさせるものでした。最後は「情報過多の世界で、逆に情報の少なさが想像力を掻き立てることがある。情報の選択が重要である」という徳山氏の言葉で締めくくられました。