メディア創造基礎演習-映像ワークショップ2018
- 2018.05.20
- 2018年度, アーカイブ, ワークショップアーカイブ
映像ワークショップ 【撮影編】
ビデオカメラをつかった撮影の基礎、マイクをつかった録音の基礎
- カテゴリー
- ワークショップ
- 講師
- 山本 輝(メディアサポートセンター)
- 開催日時
- 2018年5月19日(土)10:00~17:00
映像ワークショップ 【編集編】
Adobe Premiereをつかったビデオ編集の基礎
- カテゴリー
- ワークショップ
- 講師
- 前田 剛志氏(本学嘱託講師)
- 開催日時
- 2018年5月20日(日)10:00~18:00
- 集合場所
- 情報メディア演習室2(C162)
REPORT
1年次生春学期の必修科目である「メディア創造基礎演習A」では、最終課題としてドキュメンタリー作品をグループ制作するので、この時期、課題制作のサポートとして、メディア創造学科の貸出機材を活用した映像制作入門ワークショップを開催しています。
【撮影編】
メディアサポートセンタースタッフの山本輝氏を講師に迎え、「映像ワークショップ(撮影編)」を開催しました。このワークショップでは、失敗しない映像制作を目標に、トライアル&エラー方式によりインタビュー動画撮影の実践を行いました。
まずは、おもしろい映像とは何か?という問題提起からワークショップはスタートしました。「おもしろい」とは「観る人の心を揺さぶる」、すなわち「感動」させるものであり、それには被写体や作り手の「本音」が描かれていることが必要となります。「本音」を描くために、ドラマならば脚本と演技、インタビュー映像なら質問内容が重要であると学びました。さらに、面白い映像を作るためには、内容と撮影の失敗の回避が必須であり、内容の失敗を避けるためには、企画立案の際に「これから撮る映像作品の目的を明らかにする(主題の獲得)」、「自分たちの映像作品を観てどう感じてほしいのか(目標設定)」、「目標を達成するためにどんな表現が適切か(方針の設定)」を制作グループ内で決定することが肝心との説明を受けました。また、企画書の作成、質問表の作成、全体を通してのスケジューリング、グループ内での内容・情報の共有、事前のロケハンなど、撮影に向けての準備手順を教わりました。
講義の後、撮影の失敗を避け『確実に記録する』ための撮影実習に移りました。まずはどんな状態が失敗なのかを知るため、あらかじめ故意に設定が変更された状態のビデオカメラを使って、お互いに簡単なインタビューを撮影し合いました。その後撮影した動画を確認し、失敗とはどういうものかを確認しました。
午後は、よりよく撮ることを目標に、より詳しくビデオカメラの機能と設定方法について学びました。マニュアル設定の扱い方、ズーム機能、構図、撮影フォーマット、露出、ホワイトバランス、シャッタースピード、フレームレート、録音レベルなどについて説明を受け、初回の撮影での失敗の要因と改善方法を知りました。また、三脚の使用方法を知ることで、より安定した動画を提供できることを体感しました。
これまでの知識を踏まえた上で、再度撮影を行いました。撮影後に映像を確認すると、改善された点がある一方、被写体がきれいに見えないことや、音がよく聞こえないといった、新たな問題点が見えてきました。光の方向を意識すること、レフ板・ライトの当て方、専用マイク・レコーダーなど録音機器の紹介によって、より完成度の高い撮影方法を目指して最終課題に移りました。
最終課題は各グループごとに5分ほどのインタビュー映像の撮影を行いました。撮影は編集することを意識して行うこととし、本編以外のインサートなども撮影します。学生はお互い協力しながら、わきあいあいと撮影に励んでいました。撮影された素材は、翌日の編集ワークショップでの編集素材として使用されます。
参加者:44名
【編集編】
本学の嘱託講師をされている前田剛志氏を講師にお招きし、「映像ワークショップ【編集編】」を開催しました。このワークショップでは、「メディア創造基礎演習A」の最終課題であるインタビュービデオの制作に備えて、Adobe Premiere Pro CCという映像編集ソフトのつかい方と、編集技術の基礎を学びます。
今回は「リンク切れを起こさないためのデータ管理」「カット編集」「エフェクト」「テロップ作成」「音声編集」に重点をおいて、講義と実践をおこないました。
はじめに、映像編集をする際にとても大切な、データ管理の方法について学びました。
映像編集では多数のデータを扱いますが、そのすべてを適切に管理しなければ、さまざまな不具合が生じます。なかでも、編集途中に素材データを移動させたり、データ名を変えてしまったときに起こる「リンク切れ」というエラーは、編集初心者がよく目にするものです。まずは、このエラーが起こってしまう原因の説明をうけ、そしてそれを回避するための、映像編集に適したデータ管理の方法を教わりました。
つづいて、Premiereのつかい方と映像編集技術を学びました。午前中は、Premiereの基本用語と、映像編集の基本であるカット編集について学習しました。最初に、ソースモニターやプログラムモニター、シーケンスなど、Premiereの基本画面を構成する各パーツの名称の説明があり、そのあと実際に映像素材をカット編集しながら、それぞれのパーツ、ツールの使い方やはたらきを確認。操作手順になれたころ、より演出的な編集として「音声に別撮りの映像を重ねる」というインタビュー映像によく見受けられる手法について説明を受けました。午前の最後には、「インタビュー映像に適切な編集とはどんなものかを考える必要性」を各自が考える時間が設けられました。
午後からは、映像のより細かい調整の方法について学習しました。はじめはエフェクトについて。Premiereには300種類以上のエフェクトがパッケージされており、このなかからインタビュービデオでの使用も多い、カットとカットの切り替え部分にかける「ディゾルブ」と、映像の色みを調整するための「Lumetriカラー」というエフェクトのつかい方について詳しく学びました。つづいてテロップの作成練習に入り、「映像の上に重ねたときに、見やすいテロップであるかどうか」「作品の雰囲気にマッチした文字デザインになっているか」に注意しながら、いろいろなバリエーションのテロップを作成しました。
インタビュービデオの編集に必要な操作をひととおり教わった後は、しめくくりとして、 前日の「映像ワークショップ【撮影編】」での撮影データを素材として、短いインタビュー映像作品の制作に取り組みました。お互いに作品を見せ合ったり、疑問点を教えあって解決したりと、活発に意見をかわしながら制作をすすめていく姿が印象的でした。なかには、休憩時間もこつこつと編集作業を進めたり、ワークショップ終了後も手直しを加えたりと、熱心な学生も見受けられました。
今回のワークショップで学んだたくさんの知識と、その意欲的な姿勢が、本番のインタビュービデオ制作に活かされることを期待します。
参加者:25名