写真ワークショップ 写真のミラクル「ありふれたモノから別の世界を創る」
- 2012.07.15
- 2012年度, アーカイブ, ワークショップアーカイブ
2012年度 第3回 情報メディア学科ワークショップ
- カテゴリー
- ワークショップ
- 講師
- 赤崎 みま氏
- 開催日時
- 2012年7月15日(日) 11:00 〜 17:30
- 場所
- 情報メディア演習室3 知徳館 1F C164
講師プロフィール 赤崎みま氏
神戸生まれ。祖母の交友関係から、日本のアブストラクト写真の第一人者である山沢栄子氏と交流があり、写真と出会う。
1988年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業。1989年よりギャラリーや美術館で写真作品を発表。
リング状の鮮やかな光のオブジェによる巨大作品や、希望の光をテーマにしたオリーブやクローバーをモチーフにした作品など、これまで様々な切り口で光をテーマにしている。
2008~2009年文化庁海外派遣研修員としてチェコ共和国・プラハで研修。
REPORT
幻想的な光の演出で、独自の世界観を写真で表現しつづける美術家・赤崎みま氏を講師にお迎えし、写真ワークショップを開催しました。
午前中はまず、36ミリ×24ミリの透明フィルムに油性マジックで模様を描き、それらをスライドプロジェクターで幅3メートル高さ2メートルに拡大投影することから始まりました。その意図は、参加者の視野を拡張することです。小さなフィルムに描かれた模様は、肉眼で見るかぎり何の変哲もないものですが、プロジェクターという拡大装置を通して見ると、細部に独自の質感――世界があることが分かります。
私たちが普段あつかうデジタル画像はピクセルの集合であり、それよりミクロな世界はもっていません。一方、フィルム上にペイントされたインキは、どこまでも続くアナログの世界です。普段目にするものから、それ以上の世界を探求する、このような微視的な手法は赤崎氏の作品の多くに見てとることができます。
そういった異世界観を意識しつつ、午後は各自のカメラをつかって接写撮影をおこないました。被写体はビー玉やアルミホイル、花びらといったどこにでもあるようなもの、あるいは学内で見かける、ごく「ふつう」の風景です。今回はのちの画像編集を前提とせず、あくまで接写距離や光線の具合、被写体の選択に重きを置いて撮影がなされました。参加者は被写体にかぎりなく近づき、光線を工夫することで、それぞれのミラクルな(奇跡的)世界に出会ったようです。そこには撮影している本人でさえ驚くような世界がありました。
ただ見えるものを撮るのではなく、撮るものをまず見るという行為に意味を見出すことができたワークショップでした。
参加者14名。