シナリオ・演出ワークショップ
- 2015.07.23
- 2015年度, アーカイブ, ワークショップアーカイブ
2015年度 第5回 情報メディア学科ワークショップ
ドラマやCMの撮影、制作に必要なシナリオと演出について学べるワークショップです。
シナリオ・台詞の考え方や、撮影の演出・カメラワークの方法を、映画監督・脚本家として活躍されている安田真奈氏をお招きして体験します。
- カテゴリー
- ワークショップ
- 講師
- 安田 真奈氏(映画監督・脚本家)
- 開催日時
- 2015年9月27日(日) 9:30〜17:00(予定)
- 場所
- 京田辺キャンパス 知徳館 1F C171
- 対象
- 情報メディア学科2年次生以上・情報文化専攻 在学生
- 定員
- 先着25名
- 参加条件
- 「映像演習」/「写真演習」のいずれかを受講済みであること、あるいはビデオカメラや一眼レフカメラの操作に慣れており、露出等のカメラについての知識を有していること。又はシナリオ、コンテ、演出に取り組んでいる学生。
- 持ち物
- 筆記用具、昼食
- 申し込み
- 2015年7月24日(金) 〜 9月25日(金)16:30まで
情報メディア学科事務室(C206)
TEL:0774-65-8635
講師プロフィール 安田真奈氏
奈良県出身、大阪府在住。神戸大学映画サークルで8mm映画を撮り始める。
松下電器産業(現Panasonic)に約10年勤務の後、テレビ番組などの監督・脚本を担当。
2006年、映画「幸福(しあわせ)のスイッチ」監督・脚本で劇場デビュー。和歌山県田辺市を舞台にした、上野樹里×沢田研二の電器屋親子物語。当作品で、第16回日本映画批評家大賞特別女性監督賞、第2回おおさかシネマフェスティバル脚本賞を受賞。NHK「やさしい花」「ちょっとは、ダラズに。」「中学生日記(計6話)」、映画「猫目小僧」「劇場版 神戸在住」脚本担当。MBS製作・TBS系「奇跡のホスピス」共同脚本担当。
REPORT
映画監督・脚本家として活躍されている安田真奈氏をお招きし、シナリオ・脚本ワークショップを開催しました。
まずは、脚本の基本的な構成についての学習から始まりました。物語の始まりから終わりまでを「発端」「中盤」「解決」という3つのセクションと、それらの切り替え点となる「ターニングポイント」「ミッドポイント」によって構成する、「三幕構成」という方法についての解説を受けました。「観終わった後の観客にどんな感想を持ってもらいたいか」を意識しながら、主人公の変化や行動が引き起こす事の顛末を描くことが、脚本制作の最重要点だとご教示いただきました。
次に、物語の進行に不可欠な「枷(葛藤)」について学ぶため、童話「ももたろう」に大団円に辿り着くまでの障壁となる要素を付け足してより複雑な話となるよう、2グループに分かれてお互いに「枷」と成り得るアイディアを出し合い、物語のアレンジを試みました。
さらに、脚本の紙面上の構成要素である、「柱」「ト書き」「台詞」の書き方とそのルールに関して説明を受けました。
登場人物の設定について、キャラクターにバリエーションを持たせて様々な境遇の人を登場させること、耳で聞いただけで人物名が分かるような台詞作りをすることの重要性について教わった後、今度は「ト書き」の働きを知るために、再びグループワークに入りました。ト書きとは、脚本内に書かれている、俳優の動きや状況を示す簡潔な描写のことです。与えられた短い台詞のみの台本にト書きを付け足すことで、台詞は同じで全く別のシチュエーションを作り出すことに挑戦しました。ト書きのアレンジは無限にあり、アレンジしだいでそのシーンで描かれる登場人物の背景や関係性をより深く表現できることを学びました。
また、自分たちの日常を超えた話を考える練習として、実際に起こった事件を下敷きにした脚本の作り方を、安田氏の体験を交えて教えて頂きました。
午後は、午前に学んだ内容の実践です。台詞のみのワンシーンの脚本1本に対し、3種類の異なる演出を考え、実際に演じ、撮影を行いました。カメラ以外は、ジブやドリーなどの撮影特機も含め、ほぼ学科が保有する機器のみで本格的な撮影を行いました。
いざ演出をつける段階に入ると、少しの演出変更でキャラクター同士の関係性が大きく変わることに学生達も興味を持った様子で、様々な意見やアイディアが飛び交いました。撮影技術に関しては本学嘱託講師でありプロのムービーカメラマンである武村敏弘氏にサポートしていただきながら、3種類のシーンの全ショットを撮り上げました。撮影は初めてという学生もいましたが、上級生と協力しながら撮影を進める、和気あいあいとした現場となりました。
今回のワークショップは「撮影」という実技講習も含まれる内容であったため、演出と密接に関係しているカット割りやカメラワークも同時に体験でき、非常に貴重な体験となりました。
ワークショップ内で撮影した映像データは、10/17(土)に開催される映像編集ワークショップで、編集素材として使用することになっています。
参加者9名