映像制作ワークショップまつり2019【カラーグレーディング編・マルチオーディオ編】

映像制作ワークショップまつり2019 カラーグレーディング編・マルチオーディオ編

映像ワークショップまつり2019【カラーグレーディング編・マルチオーディオ編】

映像制作に関わるワークショップを開催します。後半の部は「カラーグレーディング」と「マルチオーディオ」を学びます。

カラーグレーディング編

講師
武村敏弘氏(本学非常勤講師・映像カメラマン)
開催日時
2019年7月17日(水)15時-20時
集合場所
メディア演習室2 (知徳館C162)
参加資格
情報メディア学科在学生、メディア創造学科在学生、情報文化専攻在学生
対象
中級者
定員
28名(先着順)
内容
メディア、エディット、カラー、デリバーのうち、カラーについての重点的な講義」「色温度、コントラスト、色の再現から自分の色をつくる」「サンプル映像を例に、どのようなグレーディングが施されているかを解説」「『撮影・照明・音声ワークショップ』の素材を編集しグレーディング」など。
※内容はじゃっかん変更される場合があります。
注意
事前にプリントを配布するので『Davinci Resolve』の基本的な素材の取り込み方と編集方法は自習しておくこと
持ち物
筆記用具、ノート
応募期間
6月11日(火)〜7月16日(火)16時30分
受付場所
メディア創造学科事務室
TEL:0774-65-8635

マルチオーディオ編

講師
松陰信彦氏(立命館大学教授・録音技師)
開催日時
2019年7月21日(日)10時-17時
集合場所
メディア演習室2 (知徳館C162)
参加資格
情報メディア学科在学生、メディア創造学科在学生、情報文化専攻在学生
対象
初級〜中級者
定員
10名(先着順)
内容
「レジメを使って整音の基礎を講義」「パワーポイント・Pro Toolsを使って、MAの実際を解説」「『撮影・照明・音声ワークショップ』で撮影した素材を使って、実際の作業」など
※内容はじゃっかん変更される場合があります。
ほか
MAについての疑問・質問のある人は、下記アドレスまで質問・疑問の内容を送ってください。講師の松陰先生にお伝えしておきます。
media03@dwc.doshisha.ac.jp(msc山本)
持ち物
筆記用具、ノート、昼食
応募期間
6月11日(火)〜7月19日(金)16時30分
受付場所
メディア創造学科事務室
TEL:0774-65-8635

カラーグレーディング編 REPORT

「映像制作ワークショップまつり2019」の一環として、「カラーグレーディング編」が、本学嘱託講師でありプロのビデオカメラマンである武村敏弘氏の指導のもと開催されました。

色は、デザインやビジュアルストーリーテリングにおける重要な要素であり、目に見える以上の内容を伝えるものです。ビジュアルコンテンツの制作者は、色が人に与える感覚的・感情的な効果を理解し、登場人物の感情を表現をしたり、観客の感情をゆさぶったりなど、演出面で色の力を活かすことを考えます。
映像制作の分野では、この色による演出効果の付与を「カラーグレーディング」と呼び、ポストプロダクションの過程で必須の工程となっています。映画やTVドラマ、CMなど日常生活で目にする映像コンテンツのほとんどが、編集時にカラーグレーディングを行っています。現在は民生機にも撮影後の映像加工を前提としたLog撮影機能を搭載したカメラが普及していることもあり、カラーグレーディングが一般に認識されるようになってきました。

今回のワークショップでは、編集ソフトDavinchi Resolveを使って、カラーグレーディングに挑戦します。Davinci Resolveの6つの作業ページの中から、メディアの読み込みを行う「メディア」、カット編集を行う「エディット」、グレーディングを行う「カラー」、書き出しを行う「デリバー」の4つに焦点を当てた内容となりました。

まずは基本的な設定方法や、「メディア」ページでの素材の読み込み、「エディット」ページでのカット編集やディゾルブの掛け方、カットの時間伸縮の方法などを学びます。

次に「カラー」ページへと移り、カラーグレーディングの工程へと入ります。

映像作品の色彩調整作業は段階を踏んで行います。まず第1段階として、各ショットの撮影時の色味や明るさのばらつきを補正する「カラーコレクション」、第2段階で画面全体の色味を調整する「プライマリーグレーディング」。「カラーホイール」や「トーンカーブ」を使用して色味やコントラストの調整方法を学んだ後、肌の表現を美しく見せる方法や、昔のフィルムのように見えるグレーディング方法などを実践しました。

第3段階は画面の一部分の色味だけを調整する「セカンダリーグレーディング」を行います。動いている物体にマスクを施し部分的なグレーディングを追従させるトラッキングという方法や、グリーンバックを使用した撮影素材のクロマキー合成といった高度な作業にも挑戦しました。

後半は学んだ技術を活かし、「映像ワークショップまつり2019(撮影・照明・音声)」の撮影素材を使って各自でグレーディングを行いました。シーンの意図を汲み取りながらのグレーディング作業に、学生は真剣な眼差しで取り組んでいました。

最後に各自がグレーディングを施した作品を「デリバー」ページで動画データに書き出しました。完成作品はサーバへアップロードをし、参加者全員の作品を見比べることができるようにしました。

今回のワークショップを通して、学生はカラーグレーディングという新たな映像表現の手段に触れ、よりクオリティの高い映像制作のきっかけを得たことと思います。今回得た知識が、今後の学生の作品に活かされることを期待します。

マルチオーディオ編 REPORT

映像制作ワークショップまつり最終回「マルチオーディオ編」が、立命館大学教授でありプロの録音技師である松陰信彦氏の指導のもと開催されました。

マルチオーディオ(以下MA)とは、セリフ、音楽、効果音、ナレーションなど、映像に必要な音声を編集・調整・追加する作業のことです。
現在、日常生活で目にする映画やTVドラマ、CMなど商業的な映像コンテンツのほぼすべてで、MA作業がおこなわれています。
今回のワークショップでは、現代の多様なメディアのなかから「映画」におけるMAについてご教導いただきました。

前半は、映画のMA全体の流れについて学びました。
まずは「映画音響は作品の臨場感を演出するもの」という基本理念について学び、そのあとは撮影現場での録音からファイナルミックスダウンまでの各段階で、臨場感のある音をつくるための方法について勉強しました。
撮影前に台本や絵コンテを読み込んで現場にふさわしいマイキングを思索しておくなど、撮影前の準備が非常に大切であるというお話や、編集段階では「集中」と「俯瞰」という2方向からサウンドを観ることが重要であるというお話が印象的でした。

後半は、前回までの【撮影ワークショップ】内で撮影・編集した映像音声素材を教材とし、ProTools(音声編集ソフト)を使って音声データの編集について勉強しました。
まずは、撮影現場で録音した音を無加工のままの状態で聞き、素材の内容を確認。つぎに松陰先生がProToolsを使い編集された音声データと聞き比べます。
その後「各部分にどのような編集を加えたか」を実際の編集作業を交えながらプレイバックし、加えられた編集による効果を確認する手順を繰り返してゆきました。
ぱっと聞いただけでは聞き逃してしまうほどに自然に仕上がった音が、実際は非常に繊細で緻密な編集作業を経たものであることを知り、学生は深く感銘を受けたようでした。

最後は”音”に関する質疑応答の時間を設けていただきました。劇中でセリフを聞きやすくするEQポイントの目安や、日本語の発音特徴にあったセリフのボリュームコントロールなど、すぐにでも参考にしたい技術から、最新ゲームの音響についてまでと、たいへん幅広い内容となりました。
今回のワークショップを経てMAという新たな知識に触れ、深く学び、学生の作品がより高度な表現となることを期待します。

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サウンドワークショップ -音の地平/音の成り立ち、その表現-