小原一真氏講演会「物語の伝え方を見つける」
小原一真氏講演会「物語の伝え方を見つける」
物語のコンセプトを思考する。コンセプトを本にする。
私はこれまで、写真家として様々なテーマを掘り下げる過程で、写真集作りを大切にしてきました。本当に意味があるだろう物語を見つけるため、それを可能にする写真を撮るための「思考するための本」を70冊以上作ってきました。私は、撮影を終えるたびに、プリントした写真を、壁に張り出し、写真を並び替え、製本し、自分が意識的に、もしくは無意識的に大切にしたいと思うものの方向性を見出しながら、何を語りたいかということを繰り返し探求してきました。それによって得られたコンセプトは、より説得力のある物語を産み出し、同時にそのコンセプトによって、本のデザイン、レイアウト、タイポグラフィ、製本方法に至る細部まで意思決定が可能になり、それぞれのテーマにおける物語の伝え方を見つけてきました。講演会では、これまで作ってきたそれぞれの本の過程を紹介しながら、物語の伝え方の可能性をどのように最大化していくのかについて考えます。
- カテゴリー
- 講演会
- 講師
- 小原一真氏(写真家・ジャーナリスト)
- 開催日時
- 2021年11月24日(水) 15:00ー
- 対象
- 同志社女子大学 在学生
- 場所
- 同志社女子大学 京田辺キャンパス 知徳館3号棟 1階 C131教室
- お問い合わせ
- 同志社女子大学 メディア創造学科 事務室
TEL:0774-65-8635
プロフィール 小原一真氏 / 写真家・ジャーナリスト
1985年岩手県生まれ。写真家、ジャーナリスト。ロンドン芸術大学フォトジャーナリズム修士課程卒業。2011年3月、震災直後にリース会社を退職し津波、原発被災地の撮影を始める。2012年、 東日本大震災と福島第一原発・原発作業員を記録した写真集『RESET』(ラースミュラー出版/スイス)を刊行。その後、第二次世界大戦における日本の子どもたちの歴史を表現した『Silent Histories』(Editorial RM/メキシコ/2015)、長期的視野からチェルノブイリ原子力発電所事故を記録した『Exposure/Everlasting』(Editorial RM/メキシコ/2017)を出版。その後もフランスのFestival Photoreporterや在日本オランダ大使館より助成を受け、戦争や核などの災禍の中で見えなくなっていく個に焦点を当てた作品を精力的に発表。世界報道写真賞受賞の他、Paris Photo- Aperture book Awardショートリストや米TIME誌のBest photobookなど写真集も国際的に評価されている。2020年には米ナショナルジオグラフィック協会より助成を受けて、コロナ禍の最前線で働く看護師・介護士による看取りの記録を続けている。
チラシデザイン担当:小森菜七(メディア創造学科4年次)